
薄暗い早朝にハラハラとドキドキを抱きかかえて車を爆走させている。
この時間は何故かいつも忙しない。
急いだところで何も変わらないのに、何故か一喜一憂してしまう。
時合はいつだろう?
ポイント空いてるかな?
あれ?リール持ってきたっけ?
眠くても頭の中は釣りのことでいっぱい。
今のところ釣れるイメージしか湧いてこないが、自信ありげにし過ぎていると運に突き放されるような気がして、ちょっと謙虚な意気込みを整えてみたりする。
立ち寄ったコンビニで無駄なクリティカルパスの最短決済を披露しつつ、明るくなってきた空に焦燥を掻き立てる。
釣り場に着いたら急いで車を飛び降りる。
後ろに積んだ装備に早着替えしてタックルを取り出し、足早にポイントに移動する。
そして、勢いにまかせて投げる。
あれ?
潮も動いてないし、風もない。
痛烈なバイトもなければ、アタリもない。
結局、お目当ては釣れずにガッシーと戯れる。

いつも君は助かるなぁ。
胸いっぱいの夢は徒労に潰えたが、それまで心は走り続けた。
まだ終わらない。
次がある。
釣りは人生を彩るには充分過ぎる刺激的な娯楽だ。いつまでも挙動不審で現場に望む自分でありたい。

zune.