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泥を啜って春のランカーシーバス

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子供を寝かしつけ、そろそろ弱った身体に酒でも流しこもうかと考えていた矢先、、、

“潮が動き初めて、空気が変わる瞬間”

ーーーーーそれが脳裏をよぎった。

釣り場で体験したあの世界が動き出す瞬間。

生命の匂いを感じるあの瞬間だ。

日付をまたぐが、潮も悪くない。風もたいして吹いていない。寒くもない。

残した家事を片付けて家を飛び出した。

ーーー現着10:30。

干潮潮止まり直前。

メジャーな橋脚明暗に先行者が一人。カラッカラの浅場に至近距離で機械的に投げ込んでいた。

あれでは釣れない。

それがわかる自分の成長に慢心しつつ、跳ねまわるボラと一緒に波打ち際を叩く。

おそらくベイトはイナッコ。

シンペンを速巻きすると、僅かに海に下る水流に乗って大量のイナッコが泳いでいるのが確認できた。

若潮〜中潮の変わり目、水量もそれほどない。

デカイシーバスが潜んでいるとしたら河口〜海に流れ出す深場。

期待値の高いストラクチャーなどは傍目に歩くこと15分。ヘドロだらけの長靴を引きずりながら、石積みの突堤までたどり着く。

完全な潮止まり。

辺りは怖いくらいに静か。

上げ始めるまで周囲を調査する。

あんまり投げるべきではないが、ボトムを取ってやんわりと深さも把握しておく。

そして、遂に上げ始め。

先程の静寂と打って変わって大自然が慌ただしくなっていく。そう、家で感じたあの感覚だ。

ベイトに合わせてルアーは、『ローリングベイト55GP』クリアのケイムラカラーをチョイス。この日は月が明るめだったので小型のルアーでもケイムラが深場でアピールすると考えた。

まずはフルキャストして糸フケを回収。

テンションが入った瞬間に低速でボトムを走らせる。起伏を感じたらほんの少し速め、また緩める。その繰り返し。

と、手前の深場に差し掛かったところで手応え。

岩礁、、、?にしても柔らかいアタリ。

呆気に取られはしたが直感的に

フルフッキング!(今だっ!)

、、、おおっ!?動かない!?

と思ったのもつかの間、巨大な体躯がうねるような躍動が手元を伝って全身に走る。

根がかりかと勘違いしたのもしょうがない。

相手があまりにも大きい!!

焼き切れそうなドラグ音に引け目を感じながらも少し強引に寄せていく。が、数回に分けて瞬間的に走ってまた遠くなっていく。

ーーーとにかく落ち着こう。

そう言い聞かせて、走ったらドラグを緩めて相手に任せる。また締めて水面まで引きずり出す。

水面付近でのファイトを繰り返し、相手の体力が尽きてきたところで石積みの足元までたぐり寄せる。

自分も石積みを駆け下り、一心不乱に素手でランディング。

遂に銀色の巨躯が姿を現した。

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計測83cmのマルスズキ。ランカーシーバスだ!

せいぜいフッコサイズか、運が良ければ60cmオーバーの良型が釣れるかな?と皮算用していたので思わず度肝を抜かれた。

アタリがあったポイントは読み通り、河川の吐き出し口の深場。上げ下げのタイミングでイナッコを捕食している居着きの大型個体なのだろうか。

干潟になるこの河川では、これだけ大きいサイズが干満に合わせて動いているとは思い難い。

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舌顎の外側に刺さっているのはフッキング遅れの証拠か?

ステラのドラグ性能に感心しつつ、落ち着いてやり取りを重ねた自分を褒めてあげたい。

人生初のランカーシーバスは生まれ育った河川で。それも自分一人で積み重ね、イメージして勝ち取った一本。

仕事、育児、嫁さん、シーバス(New!!)

💡
《Tackle Data》

Rod: シマノ ブレニアスS80L-S

Reel: シマノ 22ステラ 2500SHG

Line: X-Braid アップグレードX8 0.6号